後天性のアトピーはなぜ起こる?環境因子と発症の仕組みを解説|保谷駅前皮膚科|西東京保谷駅の皮膚科・美容皮膚科・小児皮膚科

〒202-0004東京都西東京市下保谷四丁目14番20号 いなげや保谷駅前店2階

042-439-6305

LINE登録はこちら
LINE登録はこちら
下層メインビジュアル(PC)

後天性のアトピーはなぜ起こる?環境因子と発症の仕組みを解説

後天性のアトピーはなぜ起こる?環境因子と発症の仕組みを解説|保谷駅前皮膚科|西東京保谷駅の皮膚科・美容皮膚科・小児皮膚科

2026年4月27日

後天性のアトピーはなぜ起こる?環境因子と発症の仕組みを解説

後天性のアトピー性皮膚炎は、環境の変化やストレス、生活習慣の乱れなど、さまざまな要因が重なって発症します。「なぜ今になって?」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、後天性アトピー性皮膚炎がなぜ起こるのか、その原因と発症のメカニズム、そして効果的な治療法や日常ケアについて、医師が詳しく解説します。適切な知識を持つことで、症状をコントロールし、快適な日常生活を取り戻すための第一歩を踏み出しましょう。

後天性のアトピー性皮膚炎とは

後天性のアトピー性皮膚炎とは

後天性のアトピー性皮膚炎とは、子どもの頃にはアトピー性皮膚炎の症状がなかったにもかかわらず、成人後に初めて発症するタイプのアトピー性皮膚炎を指します。

アトピー性皮膚炎は一般的に乳幼児期に発症し、成長とともに改善していくことが多い疾患です。しかし近年、20代や30代以降になって初めて症状が現れるケースも報告されています。

後天性アトピー性皮膚炎の主な特徴は以下の通りです。

特徴 内容
発症時期 成人後(20代以降)に初めて症状が出現
症状 かゆみを伴う湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返す
慢性化 症状が6ヶ月以上続く
原因 環境因子、ストレス、バリア機能低下などが複合的に関与

子どもの頃からアトピー性皮膚炎を持っている場合と、基本的な病態メカニズムに大きな違いはありません。ただし、後天性の場合は生活環境や社会的ストレスなど、大人特有の悪化因子が関係していることが特徴です。

大人になってからアトピー性皮膚炎を発症する人が増えている理由

大人になってからアトピー性皮膚炎を発症する人が増えている理由

大人になってからアトピー性皮膚炎を発症する背景には、現代社会特有の環境変化が深く関わっています。

住環境の変化によるハウスダストやダニとの接触機会の増加、化粧品や洗剤などに含まれる化学物質との接触、そして仕事や人間関係によるストレスの増大などが複合的に影響していると考えられます。

特に社会人になってからの生活環境の変化や不規則な生活習慣は、皮膚のバリア機能を低下させ、これまで症状がなかった人でも発症するリスクを高めています。

後天性アトピー性皮膚炎の主な原因

後天性のアトピー性皮膚炎は、複数の要因が重なり合って発症します。ここでは、主な原因について詳しく解説します。

皮膚のバリア機能の低下

皮膚のバリア機能の低下

健康な皮膚は、外部からの刺激や異物の侵入を防ぐバリア機能を持っています。しかし、加齢や生活習慣、環境要因によってこの機能が低下すると、アレルゲンや刺激物質が皮膚内部に侵入しやすくなります。

バリア機能が低下する主な要因には、過度な洗浄による皮脂の除去、エアコンによる空気の乾燥、加齢に伴う皮脂分泌の減少などがあります。皮膚が乾燥すると角層のバリア機能が損なわれ、わずかな刺激でも炎症を起こしやすい状態になります。

環境因子の変化

日常生活における環境因子が、アトピー性皮膚炎の発症に大きく関与しています。

ハウスダストやダニ、花粉、ペットの毛などのアレルゲンは、皮膚に接触することでアレルギー反応を引き起こします。特に布団や枕、カーペットなど、長時間肌に触れるものに付着したアレルゲンは、症状を悪化させる要因となります。

また、化粧品や洗剤、柔軟剤などに含まれる化学物質、汗、摩擦などの物理的刺激も、皮膚の炎症を引き起こす環境因子として知られています。

ストレスと生活習慣の乱れ

精神的・肉体的ストレスは、免疫機能のバランスを崩し、アトピー性皮膚炎の発症や悪化に関わります。

ストレスを感じると、体内でストレスホルモンが分泌され、免疫システムが過剰に反応しやすくなります。その結果、炎症を起こす物質が増加し、かゆみや湿疹が現れやすくなります。

睡眠不足や不規則な食生活、過労なども、皮膚の修復機能を低下させ、症状を悪化させる要因です。特に社会人は、仕事のプレッシャーや生活リズムの乱れによってこれらの悪化因子に晒されやすい環境にあります。

アレルギー体質(アトピー素因)

アトピー素因とは、アレルギーを起こしやすい体質のことを指します。家族や本人に、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などの既往歴がある場合、アトピー素因を持っていると考えられます。

アトピー素因を持つ人は、IgE抗体というアレルギー反応に関わる物質を作りやすい体質です。この体質自体は遺伝的なものですが、アトピー素因があるからといって必ずアトピー性皮膚炎を発症するわけではありません。

環境因子やストレスなど後天的な要因が加わることで、成人後に初めて症状が現れることがあります。

後天性アトピー性皮膚炎と遺伝の関係

後天性アトピー性皮膚炎と遺伝の関係

アトピー性皮膚炎には遺伝的要因が関与していますが、遺伝だけで発症が決まるわけではありません。

両親のいずれかがアトピー性皮膚炎や気管支喘息、アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患を持っている場合、子どもがアトピー素因を受け継ぐ可能性が高くなります。

しかし、アトピー素因を持っていても必ずしも発症するとは限りません。後天性のアトピー性皮膚炎は、遺伝的素因を持ちながらも子どもの頃は発症せず、大人になってから環境の変化やストレスなどが引き金となって発症するケースです。

遺伝は「なりやすさ」を決める要因の一つですが、実際の発症には生活環境や免疫バランス、皮膚のバリア機能など複数の要因が関わります。家族にアレルギー疾患の既往がなくても、環境要因によって成人後に発症することもあります。

後天性アトピー性皮膚炎の症状の特徴

後天性アトピー性皮膚炎の症状の特徴

後天性アトピー性皮膚炎の症状は、基本的には小児期から続くアトピー性皮膚炎と同じですが、いくつか特徴的な違いがあります。

子どものアトピーとの違い

大人のアトピー性皮膚炎と子どものアトピー性皮膚炎では、症状の現れ方や好発部位に違いが見られます。

比較項目 子どものアトピー 大人のアトピー
好発部位 顔、頭、四肢の外側 顔、首、上半身、関節の内側
皮膚の状態 ジュクジュクした状態が多い 乾燥してゴワゴワした乾燥型が多い
かゆみの強さ 比較的軽度〜中等度 強いかゆみを伴うことが多い
悪化因子 食物アレルギー、ダニ ストレス、化学物質、乾燥

大人のアトピー性皮膚炎は、皮膚が硬く厚くなる「苔癬化(たいせんか)」が起こりやすく、慢性化しやすい傾向があります。また、顔や首など露出部分に症状が出ることが多く、見た目の問題から精神的ストレスを感じやすいという特徴もあります。

好発部位と症状の進行

大人の後天性アトピー性皮膚炎では、以下の部位に症状が現れやすくなります。

顔・首:特に目の周り、口の周り、首は症状が出やすい部位です。赤みやカサつき、かゆみが現れ、掻くことで色素沈着を起こすこともあります。

上半身:胸や背中、肩などの上半身に湿疹が広がることがあります。衣類の摩擦や汗が刺激となり、症状が悪化しやすい部位です。

関節の内側:肘の内側、膝の裏、手首や足首など、関節の屈曲部に症状が集中します。これらの部位は皮膚が薄く、摩擦や汗の影響を受けやすいためです。

手:水仕事や洗剤の使用が多い人は、手に症状が現れやすくなります。手湿疹として慢性化することもあります。

症状は良くなったり悪くなったりを繰り返し、ストレスや季節の変わり目、体調不良時に悪化する傾向があります。掻くことで皮膚がさらに傷つき、悪循環に陥りやすいため、早期の適切な治療が重要です。

後天性アトピー性皮膚炎の治療法

後天性アトピー性皮膚炎の治療法

後天性アトピー性皮膚炎の治療は、症状を抑えて皮膚の状態を改善し、日常生活への影響を最小限にすることを目的としています。

治療の基本は、「炎症を抑える薬物療法」「皮膚のバリア機能を保つスキンケア」「悪化因子の除去」の3本柱です。症状の程度や患者さんの生活状況に応じて、これらを組み合わせた治療を行います。

外用薬による治療

外用薬は、アトピー性皮膚炎治療の中心となる治療法です。

ステロイド外用薬は炎症を抑える効果が高く、症状や塗る場所に合わせて強さを選びます。医師の指示通りに使えば安全な薬です。

顔や首には、ステロイドとは違うタイプのタクロリムス軟膏がよく使われます。長く使っても皮膚が薄くなりにくいという利点があります。また、新しいタイプの外用薬として、かゆみや炎症を抑えるJAK阻害薬やPDE4阻害薬も登場しており、副作用が少ない治療の選択肢となっています。

保湿剤は症状が良くなった後も使い続けることが大切です。皮膚のバリア機能を保つことで、再び悪化するのを防げます。

内服薬による治療

塗り薬だけでは症状が改善しない場合、飲み薬を併用します。かゆみを抑える抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を使うことで、掻いてしまうことを減らし、皮膚の状態を良くしていきます。

重症の場合には、免疫の働きを調整する飲み薬を使うこともありますが、定期的な検査で体の状態を確認しながら治療を進めます。

生物学的製剤(バイオ製剤)

従来の治療で十分な効果が得られない中等症から重症の方には、注射による治療も選択できるようになりました。

2週間に1回の注射で、かゆみや湿疹を大きく改善できます。最近では新しい薬も増えており、一人ひとりの症状や生活に合わせた治療が選べるようになっています。

後天性アトピー性皮膚炎の予防と日常ケア

後天性アトピー性皮膚炎の予防と日常ケア

アトピー性皮膚炎は、日常生活での適切なケアによって症状の悪化を防ぎ、良い状態を保つことができます。治療と並行して、毎日のスキンケアと生活習慣の見直しを行うことが重要です。

スキンケアの基本

スキンケアの基本は、「清潔に保つ」「しっかり保湿する」の2つです。

入浴時は、ぬるめのお湯で優しく洗いましょう。熱いお湯は皮膚の乾燥を招き、かゆみを強くします。石鹸やボディソープは低刺激なものを選び、泡立てて手で優しく洗います。ナイロンタオルなどでゴシゴシこすると皮膚を傷つけるため避けてください。

入浴後は、皮膚が乾燥する前に保湿剤を塗ります。入浴後5分以内が理想的なタイミングです。保湿剤は、指示された量をたっぷりと塗り、全身に伸ばします。冬場や乾燥しやすい環境では、1日に複数回保湿することも効果的です。

悪化因子の除去

日常生活の中でアトピー性皮膚炎を悪化させる要因を取り除くことが大切です。

ハウスダストやダニは主要なアレルゲンです。こまめな掃除と換気を心がけ、布団は定期的に干すか乾燥機を使用しましょう。枕カバーやシーツはこまめに洗濯しましょう。

衣類は、肌に直接触れる部分は綿などの天然素材を選びます。化学繊維やウールは刺激になることがあるため注意が必要です。また、洗剤や柔軟剤は低刺激性のものを使用し、すすぎを十分に行って成分が残らないようにします。

汗をかいたらこまめに拭き取るか、シャワーで流しましょう。汗は刺激になりますが、汗をかくこと自体は悪いことではありません。適度な運動は免疫バランスを整える効果もあります。

生活習慣の見直し

規則正しい生活習慣は、皮膚の健康を保つために欠かせません。

十分な睡眠は、皮膚の修復機能を高めます。睡眠不足はストレスホルモンの分泌を増やし、症状を悪化させる原因になるため、十分な睡眠時間を確保しましょう。

バランスの取れた食事も重要です。特定の食品を極端に制限する必要はありませんが、ビタミンやミネラルを豊富に含む野菜や果物、良質なタンパク質を意識して摂取しましょう。アルコールや刺激の強い香辛料は、かゆみを強くすることがあるため、気になる場合は控えめにしましょう。

ストレスは症状を悪化させる大きな要因です。適度な運動や趣味の時間を持ち、リラックスできる時間を作りましょう。症状が気になって精神的に辛い場合は、一人で抱え込まず医師に相談することも大切です。

後天性アトピー性皮膚炎についてよくある質問

後天性アトピー性皮膚炎についてよくある質問

後天性アトピー性皮膚炎について、患者さんからよく寄せられる質問にお答えします。

後天性のアトピーは完治しますか?

完治は難しい場合が多いですが、適切な治療とケアで症状をコントロールし、日常生活に支障がない状態を維持することは可能です。症状が長期間落ち着いている「寛解」の状態を目指します。

ステロイド外用薬は怖いイメージがあります。使っても大丈夫ですか?

医師の指示通りに使用すれば安全な薬です。自己判断で急に中止すると症状が悪化することがあります。不安があれば医師に相談し、納得して使うことが大切です。

保湿剤はいつまで使い続ける必要がありますか?

症状が落ち着いた後も保湿を続けることで、再発予防につながります。皮膚のバリア機能を維持するために、長期的に使用することをおすすめします。

食事制限は必要ですか?

明確な食物アレルギーがある場合を除き、極端な食事制限は必要ありません。バランスの良い食事を心がけることが基本です。気になる食品がある場合は医師に相談しましょう。

市販の保湿剤でも効果はありますか?

市販の保湿剤でも一定の効果はありますが、症状や肌質に応じて医師と相談しながら選ぶことをおすすめします。

温泉やプールに入っても大丈夫ですか?

症状が落ち着いている時期であれば問題ありません。ただし、塩素や温泉の成分が刺激になることもあるため、入浴後はしっかりシャワーで洗い流し、保湿を忘れずに行いましょう。

まとめ

まとめ

後天性のアトピー性皮膚炎は、大人になってから発症する可能性がある疾患です。環境の変化、ストレス、生活習慣の乱れ、皮膚のバリア機能の低下など、さまざまな要因が複合的に関わっています。

適切な治療とスキンケア、生活習慣の見直しによって、症状をコントロールし、良い状態を維持することが可能です。近年では治療の選択肢も広がっており、一人ひとりの症状に合わせた治療が受けられるようになっています。

症状でお困りの方は、お一人で悩まず、保谷駅前皮膚科までお気軽にご相談ください。適切な診断と治療で、快適な日常生活を取り戻すお手伝いをいたします。

この記事の監修者

保谷駅前皮膚科 院長 山口華央

保谷駅前皮膚科

院長 山口華央

皮膚の症状は目に見えるからこそ、深い悩みにもなれば、改善時の喜びも大きいものです。その喜びを患者様と共有したいという想いで皮膚科医を志しました。保険診療から美容皮膚科まで、お肌のお悩みに幅広く対応いたします。

【資格】
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
美容皮膚科・レーザー指導専門医
【経歴】
平成21年4月~平成23年3月:NTT東日本札幌病院 初期研修
平成23年4月~平成24年3月:札幌医科大学付属病院皮膚科
平成24年4月~平成25年3月:砂川市立病院皮膚科
平成25年4月~平成27年3月:札幌医科大学付属病院皮膚科
平成27年4月~平成28年3月:医療法人母恋 日鋼記念病院皮膚科
平成28年4月~平成29年3月:札幌医科大学付属病院皮膚科
平成30年4月~:グリーンウッドスキンクリニック立川
平成31年4月~:医療法人社団光美会 ルーチェクリニック
令和4年4月~:慈英会病院美容皮膚科

院長情報を詳しく見る

PageTop