2026年5月14日

ニキビ跡のクレーターは、炎症が真皮層にまで達したことで生じる症状です。セルフケアでの改善が難しいため、適切な医療機関での治療が必要になります。
この記事では、ニキビ跡クレーターの種類や原因、当院で行っている治療方法について詳しく解説します。クレーターのタイプに応じた最適な治療法の選び方もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
ニキビ跡の凹凸(クレーター)とは?
ニキビ跡の凹凸は、医学的には「陥凹性瘢痕(かんおうせいはんこん)」と呼ばれます。肌の表面が月のクレーターのように凹んで見えることから、一般的に「クレーター」と呼ばれています。
ニキビが炎症を起こした際、その炎症が肌の深い層まで達すると、組織が破壊されて凹みが残ってしまいます。一度できてしまったクレーターは自然には治らないため、医療機関での専門的な治療が必要です。
ニキビ跡がクレーターになる原因
ニキビ跡がクレーターになる主な原因は、炎症が真皮層にまで及ぶことです。
肌は表皮と真皮の二層構造になっています。表皮は約28日周期でターンオーバーを繰り返し、新しい細胞に生まれ変わります。しかし真皮層にはターンオーバーの機能がありません。
ニキビの炎症が悪化すると、真皮層のコラーゲンやエラスチンといった組織が破壊されます。破壊された組織は元に戻ることができず、その部分が凹んだままクレーターとして残ってしまうのです。
特に以下のような場合、クレーターができやすくなります。
- ニキビを無理につぶしたり、触ったりした
- 炎症が強い赤ニキビや黄ニキビを放置した
- 繰り返し同じ場所にニキビができた
- 適切な治療を受けずに自己流でケアした
ニキビは早期に適切な治療を行うことが、クレーターを残さないための最も重要なポイントです。
クレーターができやすい部位
ニキビ跡のクレーターは、顔の中でも特定の部位にできやすい傾向があります。
【Tゾーン(おでこ・鼻)】
皮脂分泌が多い部位のため、ニキビができやすく、炎症が悪化するとクレーターになりやすい部位です。
【Uゾーン(頬・口周り・あご・こめかみ)】
頬は皮膚が薄く、炎症が真皮層に達しやすいため、クレーターができやすい部位です。大人ニキビができやすい口周りやあごも注意が必要です。
これらの部位は目立ちやすく、患者様のお悩みも深刻です。早めの治療開始をおすすめします。
ニキビ跡クレーターの4つのタイプ
ニキビ跡のクレーターは、その形状や深さによって主に4つのタイプに分類されます。また、重度の炎症後に皮下脂肪の萎縮が起こる「脂肪萎縮型」が加わることもあります。
それぞれ特徴が異なり、適した治療法も変わってきます。ご自身のクレーターがどのタイプに当てはまるか確認してみましょう。
ローリング型クレーター
ローリング型は、なだらかに波打つように凹んでいるタイプのクレーターです。
直径は5mm〜1cm程度で、凹みは浅めですが、広範囲に渡って連なることが多いのが特徴です。光の当たり方によって凹凸が目立ったり目立たなかったりします。
原因は、真皮層の線維組織が筋膜と癒着し、皮膚を内側から引っ張ることで生じます。化膿したニキビの炎症が深部に及んだ場合に起こりやすいタイプです。
比較的治療効果が出やすいタイプで、ダーマペンなどの治療が有効です。マッサージピールは肌質改善のサポートとして併用することで効果が期待できます。
ボックス型クレーター
ボックス型は、箱のように四角く底が平らに陥没しているタイプのクレーターです。
縁がはっきりしているため、光が当たると影ができやすく、目立ちやすいのが特徴です。浅いものから深いものまであり、深さによって治療法が異なります。
ローリング型と同様、線維組織の癒着が原因です。炎症を繰り返すことで皮膚が正常に修復されず、部分的に欠損することで生じます。
浅いボックス型にはダーマペンやケミカルピーリングが効果的です。深いタイプには複数の治療を組み合わせることがあります。
アイスピック型クレーター
アイスピック型は、アイスピックで刺したような小さく深い穴が特徴のクレーターです。
表面の直径は2mm程度と小さいですが、真皮層よりも深くまで達しています。深く進むほど穴が細くなる形状をしています。
化膿したニキビの膿の排出が長引き、毛穴が線維化して固くなることで生じます。4つのタイプの中で最も治療が難しいとされています。
ダーマペンによる肌の再生促進や、複数回の治療を組み合わせることで改善を目指します。
脂肪萎縮型クレーター
脂肪萎縮型は、皮膚が大きく陥没しているタイプのクレーターです。主要な3型とは別の補足的なカテゴリーとして分類されることがあります。
強い炎症によって皮下組織の一部が収縮し、皮膚と皮下組織が癒着することで生じます。比較的範囲が広く、深い凹みが特徴です。
他のタイプのクレーターと併発していることも多く、患部の状態に応じた総合的な治療が必要になります。
重度の脂肪萎縮型には、ダーマペンやマッサージピールに加え、サブシジョンやフィラー注入などボリュームを補う治療が検討されることもあります。
クレーターのタイプ別!適した治療法の選び方
ニキビ跡のクレーターは、タイプによって適した治療法が異なります。効果的に改善するためには、ご自身のクレーターの状態に合わせた治療を選ぶことが大切です。
ここでは、クレーターのタイプ別におすすめの治療法をご紹介します。
| クレーターのタイプ | 特徴 | 適した治療法 |
|---|---|---|
| ローリング型 | なだらかな凹み、広範囲 | ダーマペン、ウーバーピール、ポテンツァ、サブシジョン |
| ボックス型(浅め) | 四角い形状、底が平ら | ダーマペン、ウーバーピール、ポテンツァ、サブシジョン |
| ボックス型(深め) | 四角い形状、深い陥没 | ダーマペン、ウーバーピール、サブシジョン、治療の組み合わせ |
| アイスピック型 | 小さく深い穴 | ダーマペン、ウーバーピール、ポテンツァ、サブシジョン、複数の治療を組み合わせ |
| 脂肪萎縮型 | 大きく深い陥没 | ダーマペン、マッサージピール(繰り返し治療)、サブシジョン+ヒアルロン酸などの注入 |
【治療選びのポイント】
クレーターの深さが浅い場合は、ケミカルピーリングやマッサージピールから始めることができます。これらは比較的ダウンタイムが少なく、定期的に受けていただきやすい治療です。
深めのクレーターや複数のタイプが混在している場合は、ダーマペンによる治療が効果的です。真皮層に働きかけてコラーゲン生成を促し、肌を内側から再生させます。
また、複数の治療を組み合わせることで、相乗効果が期待できます。
当院で行うニキビ跡クレーター治療
保谷駅前皮膚科では、ニキビ跡クレーターの改善に効果的な治療をご用意しています。患者様の肌質やクレーターのタイプ、ご希望に合わせて最適な治療法をご提案いたします。
ここでは当院で行っている主な治療法について詳しくご説明します。
ダーマペン
ダーマペンは、ペン型の美容機器で微細な針を使い、肌に目に見えない小さな穴を開ける治療法です。1秒間に1920個もの穴を開けることができます。
【治療の仕組み】
肌に微細な穴を開けることで、傷を治そうとする自然治癒力が働きます。その過程でコラーゲンやエラスチンといった美肌成分が生成され、肌が内側から再生されていきます。
これにより、ニキビ跡の凹凸が徐々に改善され、肌質全体が向上します。
【ダーマペンの特徴】
- 真皮層まで働きかけるため、深いクレーターにも効果的です
- 施術後のダウンタイムが比較的少ないです
- 繰り返し治療を受けることで、より高い効果が期待できます
- ニキビ跡だけでなく、毛穴の開きや肌のハリ不足にも効果があります
【こんな方におすすめ】
- 深めのクレーターにお悩みの方
- 複数のタイプのクレーターが混在している方
- 肌質全体を改善したい方
- 他の治療と組み合わせてより高い効果を求める方
軽い赤みや腫れが数日続くことがありますが、通常は1週間以内に回復します。
ウーバーピール
ウーバーピールは、ダーマペンの微細な針で開けた穴から、ウーバープロと呼ばれるピーリング薬剤を真皮層まで届ける治療法です。
【治療の仕組み】
ダーマペンで開けた微細な穴を通じて、マンデル酸を主成分とする薬剤が肌の奥まで浸透します。薬剤が真皮層に働きかけることでコラーゲンの生成が促され、肌が内側から再生されていきます。
通常のピーリングが主に表皮に作用するのに対し、ウーバーピールは真皮層まで有効成分が届きます。マンデル酸には抗炎症作用もあり、ニキビ跡の赤みや色素沈着の改善にも働きかけます。
【ウーバーピールの特徴】
- クレーターのような深い悩みにもアプローチできます
- ニキビ跡の赤みや色素沈着にも効果が期待できます
- ダウンタイムが比較的少なく、日常生活への影響が出にくいです
- 2〜4週間に1回のペースで数回繰り返すことで、効果が持続します
【こんな方におすすめ】
- 浅めのクレーターや色素沈着を同時に改善したい方
- ダウンタイムをできるだけ抑えたい方
- 繰り返し通院しながら肌質を改善したい方
施術後は赤みが出ることがありますが、通常は数時間〜1日程度で落ち着きます。翌日からメイクも可能です。
サブシジョン
サブシジョンは、クレーターの原因となっている皮膚下の癒着した線維組織を、医療用の針でほぐす治療法です。
【治療の仕組み】
ニキビ跡のクレーターは、真皮層の線維組織が皮膚を内側から引っ張ることで生じます。サブシジョンでは、その癒着した線維を医療用の針で切断することで、引っ張られていた皮膚が内側から持ち上がります。
切断した部位では自然治癒によって新たなコラーゲンが生成され、凹みが徐々に改善されていきます。
【サブシジョンの特徴】
- ローリング型・ボックス型など、線維の癒着が原因のクレーターに特に有効です
- ヒアルロン酸などと組み合わせることで、より高い改善効果が期待できます
- 他の治療と組み合わせることで、相乗効果が期待できます
- 1〜2ヶ月間隔で2〜3回が目安です
【こんな方におすすめ】
- 深めのローリング型・ボックス型クレーターにお悩みの方
- 線維の癒着が原因の凹みを根本から改善したい方
- 他の治療で改善が難しかった深いクレーターの方
施術後は腫れや内出血が1〜2週間程度続くことがありますが、徐々に回復していきます。施術当日からシャワーが可能です。
ニキビ跡を残さないための薬による治療
ニキビ跡のクレーターは、一度できてしまうと治療に時間がかかります。そのため、ニキビの段階で適切な治療を行い、クレーターを残さないことが最も重要です。
当院では、ニキビの症状に応じて外用薬や内服薬による治療を行っています。
外用薬による治療
外用薬は、ニキビの症状や段階に応じて使い分けます。
【アダパレン(ディフェリンゲル等)】
毛穴の詰まりを防ぐ効果があり、初期段階のニキビに効果的です。白ニキビや黒ニキビの段階で使用することで、炎症を起こす前に改善できます。
ターンオーバーを促進し、毛穴に皮脂や角質が詰まりにくい状態を作ります。継続して使用することで、新しいニキビができにくくなります。
【抗菌薬(ダラシンゲル、アクアチムクリーム等)】
アクネ菌を抑えるために使用されます。赤ニキビなど炎症が起きているニキビに効果的です。
ただし、長期間使用すると耐性菌ができやすくなるため、医師の指導のもと短期間の使用が推奨されます。
【過酸化ベンゾイル(ベピオゲル等)】
アクネ菌の増殖を抑え、毛穴の詰まりも改善する効果があります。抗菌薬と異なり、耐性菌ができにくいのが特徴です。
これらの外用薬は、症状に応じて組み合わせて使用することもあります。正しい使い方を守ることで、ニキビの悪化を防ぎ、クレーターを予防できます。
内服薬による治療
ニキビの症状が広範囲に及ぶ場合や、外用薬だけでは改善が難しい場合には、内服薬を使用します。
【抗菌薬(ミノサイクリン、ロキシスロマイシン等)】
アクネ菌の増殖を抑え、炎症を鎮める効果があります。赤ニキビや黄ニキビなど、炎症が強い場合に処方されます。
外用薬と同様、長期間の使用は耐性菌のリスクがあるため、医師の指導のもと適切な期間使用します。
【イソトレチノイン(重症例)】
毛穴や皮脂腺の機能を大幅に改善する効果があります。重症のニキビに対して使用されますが、副作用が多いため、皮膚科医の指導のもとで慎重に使用します。
定期的な血液検査が必要で、妊娠中や妊娠を予定している方は使用できません。
【その他の内服薬】
ビタミン剤や漢方薬を併用することで、肌のターンオーバーを整え、ニキビができにくい体質づくりをサポートします。
ニキビは早期治療が重要です。炎症が悪化する前に適切な治療を行うことで、クレーターを残さずに治すことができます。気になるニキビがある方は、早めにご相談ください。
ニキビ跡クレーターはセルフケアで改善できる?
結論からお伝えすると、一度できてしまったニキビ跡のクレーターを、セルフケアだけで改善することは非常に困難です。
その理由は、クレーターが真皮層の組織破壊によって生じているためです。
なぜセルフケアでは改善が難しいのか
肌は表皮と真皮の二層構造になっています。表皮は約28日周期でターンオーバーを繰り返しますが、真皮層にはこの機能がありません。
市販のスキンケア製品は主に表皮に働きかけるものです。表皮の浅いニキビ跡や色素沈着には効果が期待できますが、真皮層まで達したクレーターには十分な効果が得られません。
セルフケアでできること
ただし、適切なセルフケアは以下の点で重要です。
- これ以上クレーターを増やさないこと
- 新しいニキビを予防すること
- 肌のターンオーバーを整えること
- 治療後の効果を維持すること
具体的には、ビタミンC誘導体配合の化粧水での保湿、紫外線対策の徹底、規則正しい生活習慣を心がけましょう。
医療機関での治療が必要な理由
クレーターを改善するには、真皮層に働きかける医療機関での治療が必要です。
ダーマペンやウーバーピールなどの治療は、真皮層のコラーゲン生成を促し、肌を内側から再生させることができます。これはセルフケアでは不可能なアプローチです。
「もう治らない」と諦めている方も、適切な治療を受けることで改善が期待できます。まずはお気軽にご相談ください。
ニキビ跡の治療によくあるご質問
ニキビ跡クレーター治療について、患者様からよくいただくご質問にお答えします。
治療は何回くらい必要ですか?
クレーターの深さや治療方法によって異なります。ダーマペンは3〜10回程度が目安です。初回カウンセリング時に、患者様の肌状態に合わせた治療計画をご提案いたします。
治療中の痛みはどの程度ですか?
ダーマペンは麻酔クリームを使用するため、痛みは大幅に軽減されます。ピーリング系の治療はピリピリとした刺激を感じる程度です。フォトフェイシャルは輪ゴムで軽く弾かれたような感覚があります。痛みの感じ方には個人差がありますので、ご不安な方は遠慮なくお伝えください。
ダウンタイムはありますか?
ダーマペンは赤みや軽い腫れが3〜7日程度続きます。ピーリング系の治療は赤みが数時間〜1日程度です。フォトフェイシャルはダウンタイムがほとんどなく、施術後すぐにメイクも可能です。
治療後にクレーターが再発することはありますか?
改善されたクレーターが元に戻ることはほとんどありません。ただし、新しいニキビができて炎症が悪化すると、新たなクレーターができる可能性があります。当院では、必要に応じてニキビ治療も同時に行います。
どのくらいの期間で効果が出ますか?
ピーリング系の治療は施術直後から肌のハリ感を実感できることが多いです。クレーターの改善には、一般的に3〜6ヶ月程度の治療期間が必要です。数回の治療を重ねることで徐々に改善を実感していただけます。
保険は適用されますか?
ニキビ跡クレーター治療(ダーマペン、マッサージピール、ケミカルピーリング、フォトフェイシャル)は美容目的の治療となるため、保険適用外の自費診療となります。
ただし、現在進行形のニキビに対する治療(外用薬や内服薬)は、保険適用で受けることができます。ニキビの段階で適切に治療することが、クレーターを残さないための最も効果的な方法です。
まとめ
ニキビ跡の凹凸やクレーターは、炎症が真皮層まで達したことで生じる症状です。一度できてしまうとセルフケアでの改善は難しく、医療機関での専門的な治療が必要になります。
クレーターにはローリング型、ボックス型、アイスピック型、脂肪萎縮型の4つのタイプがあり、それぞれに適した治療法が異なります。保谷駅前皮膚科では、ダーマペン、ウーバーピール、サブシジョンなど、患者様の症状に合わせた治療をご用意しています。
「もう治らない」と諦めていた方も、適切な治療によって改善できる可能性があります。ニキビ跡やクレーターでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。患者様お一人おひとりの肌状態に合わせた最適な治療プランをご提案し、なめらかで美しい肌を取り戻すお手伝いをいたします。

