
脇汗、多汗症
脇汗、多汗症
塩化アルミニウムは皮膚の角層と結合することで皮膚の表面にふたを作り、汗腺の穴を塞ぐことにより汗の量を減らす治療です。どの場所にも塗ることができますが、刺激性があるため傷があるところなどへの使用は控え、またヒリヒリするようなら使用を中止します。
汗腺にあるムスカリン受容体という部分に結合して神経からの発汗の指令をブロックします。妊娠中の方、閉塞性緑内障や前立腺肥大といった疾患をお持ちの方は使用できません。
薬が目につくと光が眩しく感じたり刺激を感じますので使用後はよく手を洗ってください。
わきの多汗症の塗り薬です。適応年齢は12歳以上。
わきの多汗症の塗り薬で、使い捨てのシート状です。
適応年齢は9歳以上。
手の多汗症の塗り薬です。
適応年齢は12歳以上。
水を入れた専用の機器に弱い電流を流し、15分間ほど手や足などを浸します。
電流を流すことで、汗孔(かんこう:汗が排出される出口)が潰れ、その数が少しずつ減っていくために、汗の量が減っていくと考えられています。
欧米では一般的な治療法で、効果も比較的高いのですが、速効性には乏しく、週1回、5~10回を目安に効果を判定します。
(当院では行っておりません)
ボトックスとは、ボツリヌス毒素(ボツリヌス菌が産生する毒素)から抽出した成分を用いる治療です。
ボツリヌス毒素はその名の通り、毒性の高いものなのですが、ボトックスはそこから毒性を除去しているので、安全に使用できます。
皮下にこのボトックスを注射して、交感神経から汗腺への刺激の伝達をブロックすることによって発汗を抑えます。
手足、わきなどに用いられます。
非常によく効く治療法ですが、効果の持続期間が最大で6ヶ月くらいなので、継続的な治療が必要です。
全身性の筋力低下を起こす病気をお持ちの方、妊娠中または妊娠している可能性のある方、授乳中の方は治療を受けることができません。
以下の項目が当てはまる重度の原発性腋窩多汗症の場合には保険適用となります。
*原因不明の過剰な局所性発汗が6ヶ月以上持続していることに加え、以下の6項目中2項目以上を満たす。
3割負担の方は両脇で一回21,000円くらいです。(初診時に診断し次回予約しての投与となります。)
保険適用の条件を満たさない方でも自費診療でボトックス治療を行っております。
アラガン社 ボトックスビスタ 66,000円(税込)
ボトックス ジェネリック 33,000円(税込)
片手につき15−20箇所に注射します。非常に痛みが強いので、麻酔クリームを使用しますが痛みはあります。
片手66,000円(税込)
保険治療の場合は診察後にご予約いただき、後日の施術となります。
両脇にマーキングをします。アイスパックで十分冷却します。片側15~20箇所くらいに注射していきます。(痛みに弱い方は表面麻酔を行います。麻酔クリームを塗って30分ほどおきますので、予約時に麻酔クリーム希望とお伝えください。)
施術時間は15分程度です。術後はマーキングを落として終了です。効果は注射後数日してから徐々に効いてきます。個人差はありますが施術には痛みがあります。
効果は4−9ヶ月持続すると言われます。4−5ヶ月ごとに定期的に注射されることをお勧めします。
副作用はまれとされています。調査では腋窩の汗は抑えられたのですが、首や背中の発汗が増えたという方は2.08%、腕の痛みを感じた方が0.69%いらっしゃったとのことです。
プロバンサインという神経系に作用する薬で、アセチルコリンという物質の働きを抑制して発汗を抑制します。即効性が特長で、服用後1時間ほどで効果が現れ、約5時間効果が持続します。内服薬のため全身に効果が出て、全身の汗を抑えることが可能です。
便秘や口の渇きなどの副作用が出る場合もあります。閉塞性緑内障や前立腺肥大といった疾患をお持ちの方には服用いただけません。
エキシマライトは、UVB(紫外線B)の中の非常に幅の狭い波長(308nm)の紫外線を選択的に照射する治療器です。日焼けや発がん性のある波長をカットすることにより、より安全に効果的に治療が可能です。(紫外線暴露を最小限にするターゲット型紫外線療法)
従来の紫外線療法(PUVA療法、ナローバンドUVB療法)では治療効果が乏しかった症例に対する優位性が報告されています。
乾癬やアトピー性皮膚炎の外用療法のみではどうしても改善されない症例に対して、エキシマライトを併用することにより、かなりの改善を見ることが明らかになってきています。その他、尋常性白斑、菌状息肉症、結節性痒疹でも有意に改善するとの報告があります。
多形日光疹、扁平苔癬、円形脱毛症、掌蹠膿疱症、皮膚掻痒症などにも有効性がみとめられてきています。難治といわれている透析にともなう痒みにも効果があります。
尋常性乾癬、類乾癬、掌蹠膿疱症、菌状息肉腫、悪性リンパ腫、尋常性白斑、アトピー性皮膚炎、慢性苔癬状粃糠疹、円形脱毛症に保険適応があります。
初回は80~200mJ/cm2を照射します。次回の受診時には、前回照射後に紅斑の出現が見られないことを確認した後に10-20%ずつ増量していきます。照射回数は週1〜2回行います。症状が改善してきたら漸減することがあります。症状が軽快して、紅斑が出なくなった時点で出力は固定します。
必要な部分のみにしっかり照射することができ、高出力ですので治療も短時間ですみます。紫外線防護メガネを着用していただきます。
長期使用による副作用
紫外線の治療経験が豊富な欧米での長期にわたる研究結果と我が国におけるデータでは、“紫外線発がんの心配はない”という見解です。小児(10歳以上)や妊婦にも使用可能とされます。
短期の副作用
皮膚の赤み、色素沈着(日焼け)、ほてり感、ヤケドなどがありますが、他の紫外線療法より起こしにくいと考えられています。
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