
ほくろ、いぼ
ほくろ、いぼ
ほくろ(医学的には「色素性母斑」「母斑細胞母斑」)は、皮膚の良性腫瘍で、形や色、大きさ、できる部位によっていくつかの種類に分類されます。主な分類は以下の通りです。
境界母斑
皮膚の浅い部分(表皮と真皮の間)に母斑細胞が集まるタイプ。小さめで平坦なことが多い。
複合母斑
境界母斑と真皮内母斑の混合型。皮膚の浅い部分と深い部分の両方に母斑細胞が存在し、小児に多く、色が濃い傾向があります。
真皮内母斑
皮膚の深い部分(真皮内)に母斑細胞が集まるタイプ。成人に多く、半球状に盛り上がることが特徴です。
Unna(ウンナ)母斑
体幹や首、腕、太ももなどにできやすく、桑の実のような表面の盛り上がりが特徴。柔らかく10mm前後の大きさ。
Miescher(ミーシャ)母斑
顔や頭、首にできやすいドーム状や半球状のほくろ。毛が生えていることもあります。
Clark(クラーク)母斑
胴体や手足に多い。中心が濃く、外側に向かって色が薄くなる楕円形の平坦なほくろ。
Spitz(スピッツ)母斑
幼児や若年者に多い。黒色~赤色で、急に大きくなることがあり、悪性黒色腫との鑑別が必要な場合もあります。
炭酸ガスレーザーを用いて、ほくろ細胞やメラニン色素を蒸発・除去します。
専用の器具でほくろを円形にくりぬいて除去する方法。
CO2(=二酸化炭素)を使用したレーザーを照射し、肌の組織を蒸散させたり切開させたりするものです。これにより良性の黒子やイボ、脂漏性角化症などの隆起したしみの除去が可能です。
正確で微細な治療の実現により正常な皮膚組織をほとんど痛めることなく、日帰りにて短時間で治療をしていただけます。
項目 | 内容 |
---|---|
施術時間 | 10分程度 |
ダウンタイム | 腫れ、赤み、かさぶたなどの症状が2週間前後続きます。 2週間程度テープ保護が必要になる場合があります。 |
痛み | 麻酔を使用するため、施術中の痛みはほぼありません。 施術後麻酔が切れてくるとひりひりと痛みを感じる場合があります。 |
スキンケア | 直後から可 |
メイク | 翌日から可 |
入浴・シャワー | シャワーは当日から可、入浴は翌日から可 |
いぼは、皮膚から盛り上がっている小さなできもので、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって発症します。ウイルス性疣贅(ゆうぜい)と呼ばれています。いぼのウイルスは傷などから皮膚に入り、皮膚の深層の細胞に感染して、周囲の正常細胞を押しのけて増殖し続けます。
痛みやかゆみは伴いませんが、放置するとさらに増えたり、人にうつしたりすることがあります。小児からご年配の方まで男女を問わずみられますが、小児のいぼで、気にされて来院される方もおおいです。
いぼができ、掻いて治そうとするとかえってウイルスを拡散してしまう可能性があります。いぼを見つけたときは、数が少ないうちにご相談ください。
染性軟属腫(みずいぼ)は伝染性軟属腫ウイルスによる感染でおこります。皮膚どうしが直接接触したり、プールでビート板やタオルなどを介して感染します。皮膚に接種感染して発症するまでの潜伏期間が14~50日程度あります。小児に多く、おもに体幹、四肢、間擦部にみられます。
表面に光沢のある1〜5ミリほどの小丘疹となります。圧すると臍窩から排出される白色の粥状物質は、ウイルス感染を受けて変性した細胞塊で、軟属腫小体(molluscum body)と呼ばれ、この軟属腫小体が皮膚に接触することによって次々にうつっていきます。かゆみがある場合は、かきむしることによって広がっていきます(自己接種)。
特にアトピー性皮膚炎があったり、皮膚の乾燥が強く皮膚のバリア機能が低下していると感染して多発しやすくなります。
治療しなくても半年から1年ほどで自然に治っていくことが多いのですが、いつ治るかは個人差が大きく、治るまでに1年以上かかることもあります。治療するかどうかは皮膚科医のあいだでも意見がわかれていて治療不要との意見もあります。しかし、プールに通うなど他人にも感染させる可能性が高い時には積極的に治療する場合もあります。
保険適用でおこなう一般的治療です。専用のピンセットで伝染性軟属腫(みずいぼ)を摘み取ってしまいます。痛みを伴い、時に瘢痕が残る可能性があることが欠点です。痛みをなくすためにはリドカインテープ(ぺンレステープ)を使用します。来院1-2時間前に貼付してもらうと、摘み取るときに痛みがなくなります。
最近、銀イオン配合のクリームも使用されます。保険適応はなく、分類上は医薬品ではなく化粧品扱いとなりますが、やや赤くなるものの効果のある場合もありますのでご希望の方はご相談ください。
*mーbf クリーム(1本 2200円)
伝染性軟属腫(みずいぼ)の予防法は、ドライスキンやアトピー性皮膚炎のようなバリア機能が破たんしている状態をできるだけ改善しておくことです。保湿剤をしっかり全身に外用して皮膚のバリア機能を回復させ、ウイルスの感染と拡大を防ぎます。
プール後は乾燥しやすいので特に保湿が大切です。兄弟・姉妹に伝染性軟属腫(みずいぼ)ができた場合は、皮膚どうしが直接接触しないよう別々に入浴しましょう。学校を休む必要はありません。
プールは禁止ではありませんが、他人への感染を防ぐためにラッシュガードを着用するなど直接皮膚が触れないようにしましょう。日本小児皮膚科学会から皮膚の学校感染症とプールに関する統一見解がでていますのでご覧ください。
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